“NMN”とは何なのか
“NMN” は “リボース” と “ニコチンアミド” に由来するヌクレオチドである。
おっと、いきなり用語がわかりませんね。少し分解して解説します。
“リボース” とはリボ核酸の構成成分で単糖類の一種です。
“ニコチンアミド” は別名ナイアシンアミドまたは水溶性の “ビタミン B3” とも呼ばれています。
最後に “ヌクレオチド” とは、ヌクレオシドの糖部分に燐酸 ( りんさん ) が結合した化合物で、“ヌクレオシド” とはプリン塩基と糖の結合化合物で、“プリン塩基” とは・・・
と調べれば調べるほど次々にわからない用語が増えるという連鎖が続きます。
こんな説明は、化学すぎて一般の人には到底わかりません。もちろん僕もわかりません。
なのでポイントは「NMN」とは “補酵素” である。今日のところはとりあえずこれだけで充分です。
補酵素とは、酵素の働きを補助する有機化合物で “コエンザイム” とも呼ばれています。
次に “NAD+” を解説していきますね。
“NAD+” とは、さまざまな “代謝プロセス” や “DNA の修復” など、重要な身体機能に関与している物質です。
最近の研究では、長寿や健康増進に関与する “サーチュイン遺伝子” を活性化し、“ミトコンドリア” を若返らせ、さらには “幹細胞機能” を高めると言われています。“NAD+” って本当にすごいんです。
私たちヒトは、この “NAD+” を “NMN” から生成しています。
ただし “NAD+” の元である “NMN” は、年齢とともに低下し 50 歳だと 20 歳のときの半分以下まで低下していきます。
すると大切な “NAD+” が減少し、“細胞核の損傷” や “ミトコンドリアの活性低下” 等が起こってきます。
残念ながらヒトは “NAD+” をそのまま摂取できないので、前駆体である “NMN” を補充するのが早道ということになります。
“NAD+” はミトコンドリア内の諸過程や、” サーチュイン遺伝子” また” PARP” の補因子であるため、“NMN” は神経保護薬や抗加齢薬としての動物モデルでの研究が長年にわたって行われてきました。
“PARP” とは、DNAの一本鎖切断を認識し修復に関連する “塩基除去修復蛋白” を運んでくる酵素です。
“サーチュイン遺伝子” とは、老化や寿命に重要な役割を果たす遺伝子で、別名「長寿遺伝子」とも呼ばれています。
この “サーチュイン遺伝子” の発現量を増やすことで老化制御につながる効果を得られたとする動物実験が多数報告されており、ヒトを対象とした臨床試験も進められています。
最近では、それら地道な研究によって健康な男性で最大 500 mg の単回経口投与が安全であること、投与した量に応じて体内で代謝されることが示されていて、長期の安全性に関する複数の研究が行われています。