よくある質問

質問 1

ナイアシンとは何ですか?


質問 2

NADとはなんですか?


質問 3

NADの身体の中での主な働きとはなんですか?


質問 4

サーチュイン遺伝子とは?なんですか?


質問 5

人間にも、マウスと同じような効果が期待できるのでしょうか。


よくある質問 1

ナイアシンとは何ですか?

ナイアシンはビタミンB群の一種。「ニコチン酸」や「ニコチンアミド」などと総称されます。ちなみにタバコに含まれる「ニコチン」とは別物で、毒性がある物質ではありません。

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』によると、
1日の推奨摂取量は

18歳以上の男性で14mg前後(上限約300mg)、
18歳以上の女性で11mg前後(上限250mg)です。

NR(ニコチンアミド・リボシド)とは

NRはビタミンB3の一種であり、牛乳などの乳製品やヒトの母乳中にも含まれている栄養素です。

生体内取り込まれたNRは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)とよばれる補酵素へと変換され、エネルギー産生やDNA損傷の修復、遺伝子発現などの制御に深く関与しています。

 

よくある質問 2

NADとはなんですか?

NADとはニコチンアミド アデニンジ ヌクレオチド ( nicotinamide adenine dinucleotide) の略で、全ての真核生物で用いられる、クエン酸回路から電子伝達系への電子伝達を 担う主要な電子伝達体です。さまざまな脱水素酵素の補酵素として機能します。 酸化型 (NAD+) または還元型 (NADH) の2つの状態があります。 ナイアシンを原料としています。

電子伝達体とは、生体内における電子伝達反応を担う化合物の総称です。 電子伝達体の多くは、補酵素、補欠分子族、そしてそれ以外の多くの物質が含まれています。

よくある質問 3

NADの身体の中での主な働きとはなんですか?

NADは、ADP-リボシル化(注1)反応に大きく関与します。
さてADPリボシル化とは、細胞内で起こるタンパク質の
翻訳後修飾(注2)のひとつです

働きとしては細胞間の”情報伝達”や”DNA修復”また”アポトーシス”など 細胞機能の多岐に関わっています。
つまり生体内での”たんぱく質”の”機能発現”や”活性調節”に深く関わっているのです。

*注1:ADPリボシル化とは:ひとつまたは、それ以上のADP(アデノシン二リン酸) リボースを付加する反応です。
*注2:翻訳後修飾とは、たんぱく質が伝令RNAの翻訳によって合成されたあとに、 糖鎖・リン酸・メチル基の付加を受けること。

よくある質問 4

サーチュイン遺伝子とは?なんですか?

「サーチュイン遺伝子」とは、アンチエイジングを実現するための遺伝子と考えられています。
最近では、抗老化・延命の実現が期待できることから「長寿遺伝子」とも呼ばれています。

活性化した「サーチュイン」が老化した細胞に働きかけると、DNAが修復されて細胞を
若々しくしてくれることが分かってきています。

サーチュイン遺伝子によるメリットとしては ●脳の神経変性疾患を抑制 ●認知症の抑制
●肝臓の代謝改善 ●インスリンの分泌を促す ●骨格筋の代謝改善 ●心筋の保護などがあります。

「サーチュイン」にはSIRT1~7まで7種類あり、それぞれ異なる機能を持っています。 中でも「SIRT1」「SIRT3」「SIRT6」はアンチエイジング分野で研究が進んでおり、 健康・美容への効果が明らかになっています。なかでも「SIRT3」の活性酸素を消去 する作用と「SIRT6」の細胞老化を抑制が注目されています。

最近ではサーチュイン検査により、受検者の発現量を調べることが可能になりました。

よくある質問 5

人間にも、マウスと同じような効果が期待できるのでしょうか。

2022年現在、世界中で研究が進んでいます。

2021年4月サイエンスに発表されたワシントン大学、人間栄養センター長のサミュエル・クライン教授(老年医学・栄養学)の研究室と同大医学部発生生物学部門·医学部門の今井真一郎教授の研究チーム。の共同研究論文によると、前糖尿病(糖尿病予備軍)で肥満、閉経後の女性25人(55~75歳)を無作為に2群に分け、13人は1日250mgのNMN、12人はプラセボ(偽薬)を10週間経口摂取した。人間の場合は、マウスと違って寿命が長いので、心臓や血管の状態を見る数値が、抗老化効果を見る指標になるが。その結果、NMN摂取群の骨格筋(筋肉)で、血糖値を下げるホルモンのインスリン感受性が平均25%上がり、2型糖尿病やその予備軍で低下する糖の取り込み機能が改善した。

「25%インスリン感受性が上がったというのは、10%体重を落としたとき、あるいは、糖尿病治療薬のトログリタゾンを12週間投与したときに生じる改善に匹敵する。また、NMN摂取群では筋肉の再構築を促す遺伝子の働きが高まったことも確認された。NMNで筋肉の再構築の機能が高まるというのは、マウスによる研究でも分かっていなかったことで私たちも驚いた」と説明した。

ただし、動物実験との差異もあった。マウスによる研究では、NMN投与によって細胞の中でエネルギー産生を司るミトコンドリアの機能が高まることが確認されているが、今回の臨床試験では変化がみられなかったという。糖代謝が改善したのは筋肉だけで、NMN摂取前と摂取後を比較しても、肝臓や脂肪組織のインスリン感受性や血糖値の改善、体重減少はなく、炎症マーカーにも変化がないなど、マウスでみられたような劇的な効果は認められなかった。

「NMNによって、骨格筋でインスリン感受性の改善が認められたことは臨床的に意義のある結果。しかし、ヒトへのNMN投与が2型糖尿病の改善や予防に役立つのか、現時点で結論を出すのは難しい。なぜ、骨格筋でのみインスリン感受性が上がったのか、そのメカニズムの解明もこれから進めたい」と今井教授は話した。